2006.4-13 春、満月の宴

ヴェトナムを出航して船は南下している。
ここの所揺れも少なく海も穏やかだ。
今夜は満月○船上での満月は何回か迎えたことはあるけど、
いつも、いつも素晴らしい光景を僕達に披露してくれる地球。
船の右舷ではため息のでるくらいうつくしい夕焼け。
左舷ではまだ明るいが水平線近くから月の出が、空が段々と色を濃くしていく。
海には月の明かりで僕のほうに真っすぐな月の橋が少しだけ波で揺らいでる。
またこの光景に出会えた、足下から感動が込み上げてくる。
雲が低い所を流れて時々月と戯れていて遠くの方に船の明かりが見えはじめた。

今夜は屋上デッキでKOH-TAO with 満月楽団でのステージだ。
24:00からのスタート、月はちょうど真上で輝いている。

初めてのコンサートで噂を聞きつけた年配の方々が遅い時間にもかかわらずたくさん来てくれた。
昼間も「今夜楽しみにしています」と何人も声を掛けられていた。
はじめはワークショップの参加者のみんなと演奏30~40人くらい集まってくれた。
うん、みんな基本のリズムはしっかりと練習してきているみたいでぴったりと合っていた。
お客さんは思い思いの格好で聞いてくれている、寝転がって月を見ながら聞いている人、
ビール片手にほろ酔い気分な人、ジャグジーに足だけ入れてぬくぬくで聞いている人、
そして虹彩月夜やソロを回して満月楽団とのセッションベースになる曲は1stアルバム「たゆたゆ」に入っている「Bhang Bhang」はじめにディジュリドゥのソロからはじまり頃合いをみてHarishがギターでリズムを刻む
そして僕がメロディーを奏ではじめ、途中フルートがそれに絡んでくる。
曲が一周したらそこからジャンべ、和太鼓、ダラブッカ、そしてダンス！！
みなの手拍子がダンスをあおる。歓声があがる。うん、いいテンションで盛り上がってきた！！
デッキには月明かりでいくつもの濃い影が楽しそうに踊っている。
皆の笑顔がとても爽やだった。月は段々と西の空に傾けはじめた、
終宴してからもあちらこちらで楽しげな笑い声がたえない。風の湿気も少なくちょうどいいなぁ。
前方デッキに行くと大きな望遠鏡がセットしてあった。
覗かしてもらう。真ん丸の月のエッジが少しゴツゴツしていた。
それぞれがこの時間を楽しんでいる。
それぞれは皆違うけど船という運命共同体に揺られそれぞれの思いをのせて船はゆっくりと進んでいく。